ナンピンとは?

日経先物取引の説明

金融投資の手法のひとつに、ナンピンと言うものがあります。

 

これは、手持ちのポジションの損が出ている場合に有効とされる方法です。

 

例を挙げて説明してみましょう。

 

ある日の相場で、日経225先物取引の買いポジションを、1万円で1枚、建てました。

 

この先相場が上がると見越していたからです。

 

ところが、予測に反して相場は下落し、現在の相場は9,900円。

 

100円×1,000倍=10万円の損失となっています。

 

本来ならここで損切りしてしまう所ですが、その後、相場は下がりつつももみ合いを繰り返しています。

 

そこで、新たに9,900円で一枚、買いポジションを建て増しました。

 

つまり、この先もし相場が上がれば、本来は1万円を超えるまで利益を見込めなかったものが、9,950円を超えた時点で利益が出るようになります。

 

これがナンピンです。

 

手持ちのポジションは増えてしまいますが、結果的に損失を少なくできる、というわけです。

ナンピンはしない方が良い

これだけ見ていると賢い手法な気がしますが、よく考えてみて下さい。

 

元々、そのポジションに損失が出た理由は、自分の相場感が外れていたからに相違ありません。

 

上がると思っていた相場が下げたわけです。

 

そんな状態でさらにポジションを増やして、果たして相場が上向いてくれるでしょうか。

 

残念ながら、そうではない事の方が多いのです。

 

狂った相場感をリセットしないと、冷静に予測を立てる事も出来なくなります。

 

結局、相場が上がる事はなく、本来なら1枚分の損失で済んでいた物が倍になってしまった、という結果に陥りがちです。

 

投資家に必要なのは、適切な損切りをできる判断力であって、発生した損失をどうにかしてごまかす事ではありません。

 

ですから、いくら損失が発生していると言っても、自分の相場観が外れた事を素直に認め、さくさく損切りしてしまった方が確実です。

 

一度足元をすっきりさせて、再度相場をよく見極めてから、改めて利益を狙いに行けばいいのです。

 

そもそも、投資を行う際に、ロスカットのポイントを決めていないのは、投資家として致命的です。

 

また、ロスカットのポイントが迫った時に、決済を迷ったり、逆にナンピンしたりしないよう、損が出て困るような大規模な投資をしない事も重要です。

 

日経225先物取引の投資家には、適切なタイミングで損切りできる判断力と、一時的に損失を出しても冷静さを失わないでいられるような、余裕を持った投資能力が求められているのです。