SPAN
それでは、必要証拠金はどのようにして決められているのでしょうか。
必要証拠金の基準となるのは大阪証券取引所が提示するSPAN証拠金です。
SPANとは、シカゴマーカンタイル取引所が開発したリスクベースの証拠金計算システムで、The Standard Portfolio Analysis of Riskの略になります。
SPANは、
日本だけでなく世界主要各国の先物・オプション取引所で採用されています。
かつての証拠金制度では、日経225に登録された個別銘柄ごとにリスクなどを分析し、それらのデータを積み重ねる事で必要な証拠金を算出していました。
しかし、SPANではポートフォリオ全体のリスクを評価するため、より市場の値動きに柔軟に対応することが可能になりました。
SPANパラメーター
計算方法は、保有している日経225先物取引の異なる限月間の「買い」と「売り」の差引単位数とオプション取引の「買い」と「売り」の差し引き単位数などを基に、「商品内(限月間)の割増額」「商品間の割引額」といったリスク計算データ「SPANパラメーター」を用いて算出されています。
日経225先物取引のみを行う場合には、
SPANで計算されSPAN証拠金が証拠金所要額の最低基準額になります。
同時に、オプション取引も保有している場合には、
SPAN証拠金額に、ネット・オプション価値を考慮した額が証拠金所要額になります。
日経225先物取引のSPAN証拠金は、毎週月曜日に見直し、公表されています。
各証券会社によって異なる証拠金額
実際に証券会社に差し入れる証拠金の金額は、
大阪証券取引所から公表されるSPAN証拠金を基に各証券会社が設定しています。
そのため、証券会社ごとに違いますが、SPAN証拠金×100%から
SPAN証拠金×150%くらいの間で設定されていることが多いようです。
必要証拠金が安ければ安いほど投資家が参入しやすくなり、証券会社の手数料収入が増える事になりますが、万が一市場が大きく変動したときには、必要証拠金が不足する事態に陥るリスクもあります。
こうしたリスクと利益のバランスを見ながら、
証券会社でも適宜必要証拠金額を見直しています。
日経225先物の取引を始めるにあたって、証券口座を新たに開設する場合にはその証券会社の設定する必要証拠金がいくらであるか、事前に確認するようにしましょう。
中には、最低必要証拠金額を定めている証券会社もあります。
手数料や必要証拠金額は、証券会社を選ぶひとつの基準にもなります。